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2008年1月24日 (木)

心の揺らぎと物事の見え方について

不安はどこからやってくるのか。不安や精神に関することは、以前の投稿『精神のコントロール』『《精神》と《不安》の関係』で書きました。

不安になると冷静な判断ができなくなるものです。不安に襲われた状態というのはどういうことなのか、分かりやすいイメージをもつことで、自分の置かれた状況をできるだけ冷静に分析できるようにしたいと思います。

そこで、次のようなイメージで心(精神)の揺らぎと、その時の物事の見え方を考えてみようと思います。

まず、心(精神)というのは常に波打っているものだという認識が必要です。自分は常に安定していると思う方でも、それは波が小さいだけだということです。この認識がないと、突然の大波が襲ってきたときに対処できません。

さて、この心(精神)の揺らぎを、海の波としてイメージします。自分自身はその波の上の小船に乗っているわけです。もちろん、浮き輪で浮いているイメージでもかまいません。なんでもよいのですが、豪華客船では後のイメージがしづらいですので、できるだけ波の影響を受ける状況をイメージしてください。

当然、波の上にいるので、上がったり下がったりします。さて、そのとき前方に岸壁が見えているとしましょう。波が大きく盛り上がったとき、その岸壁の上の陸地が見えます。その陸地には家が建っているか、花が一面に咲いているか、牧場が広がっているか、何でもよいのですが、何かが見えるに違いありません。

今度は波が小さくなって、陸地が見えなくなってきます。そしてついには岸壁が高くそびえたっている様子しか見えません。さっきまで高さすら意識しなかった場所が、見上げるような高い岸壁として存在しています。

さて、この波と岸壁が、自身の心(精神)と自分が見つめる対象をイメージに置き換えたものです。つまり、自分の精神状態が非常に良好、ましてややる気満々といったハイテンションな状態のとき、あらゆるものが良く見え、あらゆるものがすぐ手の届くような場所にあるように思え、選択肢がいくらでもあるように見え、視野がとても広く感じられます。

つまり、まるで高い山の上から景色を眺めるように、陸地には様々な世界が広がっているのが見えるわけです。まさしく希望に満ちた精神状態ということです。

一方、精神が落ち込んでいる状態というのは、ただ目の前に岸壁がそびえたっている状態。つまり壁以外何も見えず、とても這い上がれそうにない、このまま沈んでいく以外ないと思える状態です。この壁が高く思えるときほど、不安が強く感じられるわけです。こんな状態では誰しも、絶望を感じるのも無理はありません。

しかし、ここで最初のイメージを持っていると少々違います。つまり、波の上にいるのだから、必ずまた波が大きくなってくるということです。そうすればまた岸壁の上の陸地も見えてくるに違いありません。また、今岸壁の上が見えないからといって、上にある家や花や牧場やその他すべてのものが無くなったわけではないわけです。ですから、あらゆる希望が無くなった訳ではないことは明らかです。

残念ながら、波を無くすことは不可能です。しかし、波が下がりっぱなしということはありません。不安に襲われると、このまま海の底まで沈んでいくような感覚に陥りますが、それは錯覚です。波は必ず底を打ち、上昇に転じます。少なくとも波の上に居る限り、沈むことはありません。あわてて船から飛び降りてはいけません。小船でも波の上に居る限り大丈夫です。

以上、不安に襲われたときは冷静に、というイメージトレーニングでした。

さて、上記のイメージをもつと、不安に関すること以外にも重要なことがわかります。上記では具体的な岸壁のイメージをしましたが、もう少し抽象的にして言うと、自分の精神状態によって物事を見る目が変わるということです。

まったく同じ花を見ているのに、気分によって綺麗だと感じたり、何も感じなかったりする。つまらないと思った映画が、落ち込んだときにたまた観たらとても面白かった。嫌なヤツだと思ってた人が、やる気満々のときには妙に気が合っていい人に思えた。などなど、全ての物事の見え方というのはその時の自分の精神状態によって左右されるわけです。

このことは、全ての物事には多面性があることを示していると同時に、物事の良し悪しというのは簡単には決められないということを示しています。

人間が理性でのみ判断できるというのは、おそらく間違いでしょう。理性で判断するには、その対象とする物事をあらゆる角度から、つまりあらゆる精神状態に置いて判断する必要があります。

社会的に安定した層、つまり安全地帯に居る人々が、社会的に不安定な層、つまり常に不安と隣り合わせにいる人々のことを判断できるわけがないということです。もちろん、逆もまた然りです。

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